首里城・正殿(せいでん)です。 正殿は首里城の中心的な建物です。 琉球建築の粋を結集した華麗なる空間、琉球王国の王城です。
木造三階建で、一階は 「下庫理;しちゃぐい」 と呼ばれ、主に国王自ら政治や儀式を執り行う場、二階は 「大庫理;うふぐい」 と呼ばれ、国王と親族・女官らが儀式を行う場です。 三階は通気のために設けられた屋根裏部屋です。 沖縄戦を含めて過去四回の焼失、再建を繰り返してきました。 現在の正殿は1712年に再建され、戦前まで残っていた建物をモデルに1992年(平成4年)に復元されたものです。
唐破風妻飾(からはふうつまかざり)です。 唐破風の妻壁には中央に火焔宝珠と大蟇股、両脇には金龍と瑞雲の彫刻が施されています。
正殿大龍柱(せいでんだいりゅうちゅう)(阿形;あぎょう)です。 石階段の両脇にある龍の柱です。 高さ4.1mあり、龍そのものが柱として使われる例は世界に類を見ないという珍しいものです。 また正殿の向拝部奥小壁に立体的に彫られた獅子と金龍は木彫刻で優れた技術を見ることができます。
ここは 「南殿・番所」 から見た 「御庭;うなー」 です。 「正殿」や「南殿・番所」、「北殿」、「奉神門」 に囲まれた首里城の中心的な広場で、年間を通じてさまざまな儀式が行われていました。
当時の御庭での儀式の様子が再現・展示されています。
正殿一階の 「下庫理」 です。 国王や重臣たちが参列し、重要な儀式を行った場所。 中央に国王が座る玉座 「御差床;うさすか」 があり、その左右に太子や太孫が座る 「平御差床」 があります。 御差床の後障子を開くと二階に通じる階段があります。
国王が一階の御差床に現れる際に使用した専用階段のある間のことを 「おちょくい」 といいます。
二階の「御差床」です。 一階の御差床の真上にあります。 正面の2本の柱に「金龍五色之雲」の彩色、壇のの側面に 「葡萄(ぶどう)と栗鼠(りす)文様」 の羽目板、沈金を施した擬宝珠(ぎぼし)高欄、一対の金龍柱、背面には黄色に塗られた床の間、その上に 「珠取双龍文(たまとりそうりゅうもん)」 の彫物の額木など、ここは内部で最も装飾に満ちあふれた部分となっています。
二階は「大庫理」と呼ばれ、王家の行催事が行われました。 中央には国王が座る 「御差床」 があります。 御差床の正面には御庭(うなー)に面した小部屋があり、正月のときなど国王は御轎椅(うちゅーい)に着座し、御庭に並ぶ諸官の謁見を受けました。
ツアー一行41名は奉神門の前で入場券を受け取り、本日のハイライト首里城・正殿を見学します。 入場券の裏側に次のように説明されています。
首里城は、去る大戦において焼失し、平成4年に復元されました。 【首里城正殿】 中山王尚巴志が琉球王国を統一した15世紀前半から、国王の居城として政治・経済・文化の中心であった建物。 日本・琉球・中国の建築様式が融合しています。
奉神門をくぐると視界が開け、真正面に朱色の堂々とした正殿が見えます。右手に南殿・番所、左手に北殿そして中央に広い御庭を見ることができます。ひととき表から正殿の素晴しさを堪能した後、見学コースに従って南殿・番所→書院・鎖之間→正殿→北殿と見学してきました。 特に正殿は琉球建築の粋を集めた彩色と構造にあふれた見事な建造物です。 よくぞここまで緻密かつ精巧に再現できたものと感心させられました。 一度は見ておきたい建造物の一つだと思います。