2006.08.31 Thursday
伊豆下田の旅(53) お吉、最期の地 「お吉ヶ淵」
お吉ヶ淵にあります祠です。
唐人お吉投身之跡です。 明治24年3月25日、門栗ヶ淵(現在のお吉ヶ淵)に身を投げました。 51年の短い生涯でした。
現在淵は残っていませんが、池のある小公園になっています。 鯉が泳いでいます。
毎年3月27日に 「お吉まつり」 があり、芸妓衆による供養が行われ、池に花をささげ、鯉がはなされます。
現在の稲生沢川です。釣り人の姿も見られます。
このお吉地蔵は、故新渡戸稲造博士(1862─1933 旧五千円札の肖像画の人)の篤志によって昭和8年8月に建立されたものです。 博士は幕末開港の陰に一輪の花と咲いた薄命の佳人、唐人お吉の大の同情者の一人でありました。 たまたま昭和8年7月16日に、このお吉ヶ淵に詣でお吉の霊を懇ろに慰めるとともに 「お吉地蔵」 の建立を思いたったのでした。 地蔵尊の背面には、博士の母堂の命日にあたる昭和8年7月17日とだけ刻まれてありましたが、今では摩滅して定かではありません。 博士はこの地蔵尊の姿を見ないまま、第五回太平洋問題会議に日本側の理事長として出席中、昭和8年10月15日にカナダで病に倒れ、71歳の生涯を閉じました。
から艸(くさ)の浮名の下に枯れはてし
君が心は大和撫子
お吉思いのこの歌は、博士の奥ゆかしい心情が偲ばれます。
下田市・下田市観光協会
このお吉ヶ淵は伊豆急下田駅の一つ手前「蓮台寺駅」から徒歩約10分のところにあります。 ここは春の桜の隠れ名所になっています。 花見がてらお出かけ下さい。