2010.12.24 Friday
古都奈良の旅 その10 平城遷都1300年祭 遺構展示館(2)
大極殿は、天皇の即位式や元日朝賀などの国家儀式を行う重要な施設でした。 和銅3年(710) 平城遷都後の最初の大極殿は、平城宮の中央部に建てられました。 それが復原された第一次大極殿です。 都が恭仁(くに)・難波(なにわ)・紫香楽(しがらき)を経て天平17年(745) 平城京に戻ると、大極殿は場所を移して内裏の南側に建てられました。これが第二次大極殿で、この遺構展示館の西方に位置し、現在は基壇が復原されています。
平城宮第二次大極殿基壇南北断面(南)
第二次大極殿基壇土層の剥ぎ取りの様子が描かれています。
第二次大極殿 屋根の部分復原
ここに展示されている屋根は、第二次大極殿の屋根の一部を復原したものです。研究の一環として、出土した奈良時代の瓦を用いて実際の大きさで復原しました。
建物の基壇(きだん;建物の下の石または土の壇)に使われた塼(せん)
遺構からは、塼と呼ばれる奈良時代のレンガが多数出土しました。 ここに展示した塼は、建物の基壇や通路などに利用されたものです。
出土した瓦
役所で使われていた土器
平城宮跡から出土した木簡
奈良時代は紙が貴重だったので、木札に文字を書いた木簡(もっかん) が多く使用されました。 ここでは、周辺から出土した木簡を展示しています。 平城宮では多くの役人が働いており、全国から運ばれた食材や、役所での行事、役人の日常がこれらの木簡からわかります。
遺構露出展示
遺構がそのまま展示されています。
JUGEMテーマ:写真
遺構展示館は、発掘調査で見つかった遺構面をそのまま見学できる展示館です。 歴史をさかのぼること1300年前、当時の様子が出土品から読み取ることができます。 一枚の木簡の文字を読むと 「伊豆国賀茂郡三嶋郷・・・・」 とはっきり現在の静岡県東部のことが書かれています。 これには感激しました。