2008.05.13 Tuesday
ツアー草津温泉の旅 その22(完) 国宝 安楽寺八角三重塔
長野県上田市別所温泉にあります国宝 「安楽寺八角三重塔」 です。
見事な詰組、三重塔用材の伐採年代は正應二年(1289)と判明、1290年代(鎌倉時代末期)には建立された、わが国最古の禅宗様建築であることが証明されました。
この塔は一見、四重塔にみえますが、昭和二十七年長野県最初の国宝として指定された折り、初重の屋根はひさしに相当する 「裳階;もこし」 であるという見解で、裳階付き八角三重塔として認定されました。・・・・と書いてあります。
国宝・八角三重塔を境内にもつ安楽寺の案内図です。
安楽寺本堂。 鎌倉北条氏の外護によって栄え、多くの学僧を育てていたこの寺も、北条氏滅亡(1333)後は、寺運も傾て正確な記録も残らないが、国宝、重要文化財など多くの鎌倉時代の文化遺産を蔵して、信州最古の禅寺のおもかげを残しています。
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北向観音参拝の後、偶然に安楽寺 国宝・八角三重塔の案内板を発見! 早速撮影してきました。 ツアーの予定にはない国宝に出会えて感激です。
安楽寺八角三重塔、「国宝の旅」の本に次のように書かれていますので紹介します。
元来、塔とは、釈迦の遺骨をまつるために建立されたもので、飛鳥時代までは釈迦自身とその教えを象徴するものとして、伽藍の中心にすえていた。しかし奈良時代になると、しだいに中心は金堂に移り、塔は金堂に附随する装飾的な役割となっていった。
南北朝時代に建立されたいわれる安楽寺八角三重塔は、本堂からは離れた後方の高台に建ち、八角形の特異な姿を見せる。 高さ18.8m。 反りが大きい禅宗様の建物で、二重、三重の8つの側面には、それぞれに細い角材を等間隔に並べた連子窓を配している。 各層の軒は、屋根を支える垂木が2段になった二軒(ふたのき)で、初重は庇(ひさし)のような裳階をもつ。
初重の内部は、裳階部分は土間、それより内側は板張りの床で、中央には、八角柱の真ん中をしぼったような形の須弥壇を置き、大日如来像を安置する。 八角形の塔は、中国によくみられる形だが、日本で建られたという記録はわずかしかない。 安楽寺八角三重塔は、日本に現存する唯一の平面八角形の三重塔で貴重である。
杉木立を背にした安楽寺は、鎌倉時代に臨済宗の僧 礁谷惟遷(しょうこくいせん)が開山。信濃(長野県)で初めての禅宗寺院として栄えた。 室町時代末から一時期衰退をみせたが、天正八年(1580)頃、曹洞宗の寺院として再興された。(完)
22回に亘り写真展示しました 「ツアー草津温泉の旅」 は今回で終了です。 今回のツアーは、草津温泉の湯畑、雪景色、生島足島神社、上田電鉄の駅長さん、北向観音と国宝の八角三重塔など実り多い旅となりました。 ツアーは時間に無駄がなく盛り沢山の内容で色々なことが見聞できる楽しさがあります。
次回から 「川越の旅」 を写真展示しますので見て下さい。