竿燈の先端に取り付けてあるのが八幡秋田神社の 「御幣;ごへい」です。
基本形【流し;ながし】 次の差し手が竹を継ぎやすいように支える。
基本形【肩;かた】 差しやすく最も覚えやすい技。 利き腕の手の平に受けて静止。 利き腕を曲げないで真っすぐ肩に降ろす。 利き腕をまっすぐ伸ばし軸足と肩を一直線に。 片手を持ち上げ次の差し手へ。
基本形にはない特殊な技【顎;あご】でしょうか?
基本技【額;ひたい】 首の根っこが座った、重量感あふれる技。 前の差し手から利き腕の手の平で受ける。 指の間から静かにずらしながら額に乗せる。 静止して両手を大きく開いてバランスを取る。 観客を圧倒する見せ場だ。
基本技【腰;こし】 かなりの習練が必要な高度な技。 利き腕の手の平に受けて、持ち上げ静止させる。 指の間からずらして腰に乗せ、上体をほどよく横に傾ける。 両足をしっかり開いてバランスを取る。 クライマックスの大技だ。
「公式ガイドブック 秋田竿燈まつり」 に 「竿燈演技五つの基本技」 が記載されていましたので紹介します。
竿燈という技 軽々と竿燈を操る差し手を見ていると、その技は無限に見えるが、その基本は意外にシンプルだ。 地面から竿燈を起こし、差し手に渡す 「流し」、それを受け取り手の平に乗せ高く差し上げる 「平手」、手の平から額に移す 「額」、手の平から肩に移す 「肩」、最も熟練が必要な 「腰」の五つが基本技だ。
12mの親竹に一本1.3mの継竹を何本も付け足していくとなると難易度も急上昇していく。 てっぺんに八幡秋田神社の御幣、8mの竿竹に9本の横竹を組み、46個の提灯をつける。 総重量50キロの竿燈が、差し上げた手の平や額にのしかかる。 風の強さや向きの変化も隠れた敵だ 。腕力だけでは太刀打ちできない。 それを操るのは絶妙な平衡感覚。 先端につけた御幣で風を測り、竿燈の傾きや風に応じバランスを取りながら地面に根を張ったように足を踏ん張り微動だにせず、一つ一つの技を決める。 これが竿燈の醍醐味だ。
力四分に技六分とはよく言うが、「2、3年で上がられるが、極めるには一生かかる」、どんな名人も口をそろえてそう言う。 上達のための教科書もないし、舞台には種も仕掛けもない。 観客を魅了しているには、すべて練習の積み重ね。 見て、真似て、何度も倒して恥をかき、やっと会得した差し手だけが到達する極意である。
練習に練習を重ねた熟練の技を、本場秋田の竿燈大通りで間近に見れたことを幸せに感じます。 日本の伝統ある祭りは見応えがあります。 素晴しいです。